前立腺がん治療中の方対象

唾液腺がん治療中の方対象

唾液腺がんとは

唾液腺がんは、唾液を生成・分泌する唾液腺に発生するがんです。

唾液腺は、大唾液腺(耳下腺じかせん顎下腺がくかせん舌下腺ぜっかせん)と小唾液腺に分かれており、唾液腺がんは耳下腺に最も多く発生します。唾液腺がんには非常に多くの組織型(がん細胞の種類や増殖のしかたによる分類)があり、組織型はがんの悪性度(がん細胞の増殖や転移、再発のしやすさ)に関連するため、治療方針の決定においても重要です。

※小唾液腺は口腔内の粘膜(上あご、頬、唇、舌など)に広く存在します。

※小唾液腺は口腔内の粘膜(上あご、頬、唇、舌など)に広く存在します。

症状として、最初は痛みのない腫瘤(こぶ状の塊)を自覚することが多いですが、増大・進行するにつれて、痛み、しびれ、運動麻痺などがあらわれることもあります。

唾液腺がんには、アンドロゲン受容体が発現しているタイプがあります。

アンドロゲン受容体とは、細胞内でアンドロゲン(男性ホルモンの総称)からの刺激をDNAに伝えるはたらきをもつタンパク質です。アンドロゲンは、生殖機能や身体の発達などに重要な役割を担っており、男性はもちろんのこと、女性にとっても大切です。
一方で、がん細胞にアンドロゲン受容体が発現している場合、アンドロゲンと結合することでがん細胞の増殖が促されることがあります。唾液腺がんには、アンドロゲン受容体が発現しているタイプがあり、特に唾液腺導管がんという組織型では、患者さんの70~90%がこのタイプであるとされています1-4)。

唾液腺がんの治療法

唾液腺がんの治療は手術が第一選択となります。がんが神経や筋肉、骨、皮膚などの周囲の組織に広がっている場合には、それらも一緒に切除します。切除した組織の検査結果によっては、再発予防のために術後放射線療法を追加することがあります。
手術が難しい場合には、放射線療法や薬物療法を行います。薬物療法では、がん細胞に発現している特定のタンパク質や遺伝子の異常(アンドロゲン受容体、HER2、NTRK融合遺伝子など)に応じた治療が行われることがあります。

1)Dalin MG, et al.: Cancers (Basel). 9; 17, 2017.
2)Boon E, et al.: Head Neck. 40; 605-613, 2018.
3)van Boxtel W, et al.: Eur J Cancer. 110; 62-70, 2019.
4)Xu B, et al.: Hum Pathol. 93; 30-36, 2019.